トロンボーン夢日記

吹奏楽っ子からの音大受験・音大生・社会人までのリアルな体験記

【番外編?】そもそも音楽の道を目指すということについて

ここ数回、私がスランプに陥ったシリーズでお届けしておりましたが、今日は

ちょっとお題を変えて。

そもそも、音楽の道に進むってどういう感じ?その後の進路は?ということについて・・・は、書いてる人山ほどいると思います(笑)

 

例えばこうだ。

〇親の理解と経済力がないと無理

〇音大は学費が高いのにプロとしてやっていける人は一握りだ

〇競争の世界だ。受験の時点でくじけてるなら音楽は趣味にしろ。

 

つまり、ざーーーっくり言うとなかなか元はとれないぞっていう話なのかなと思います。

そしてそれを親がOKしてくれるかってことだよね。

これね、あってる。間違ってない。

 

でね、今の私。

上記ご指摘の通り、トロンボーンで食えませんでしたー笑

親にアホみたいにお金使わせたのに、音楽に関係する職業にすらつけませんでしたー笑

それを大大大後悔の日々もあったよ。

中学生のあの時、私は音楽の道に進む!なんて、勘違いしなければ・・と。

 

でもさ。今はシンプルに思う。

 

両親よ、私のやりたいことやらせてくれて、ありがとうーーー!!!!

 

社会出てみるとね、意外と自分のやりたいことをやってない人も、多いよ。

特にやりたいことがないから損はしないように生きよう、みたいな感じで大学に進み、就職する。

いやそれがだめってわけじゃないよ。

 

ただ思うのは、案外、自分が本当にやりたいことに出会えるのって素晴らしいっていうこと。

 

そしてさらに思うこと。

 

別に、頑張ってもプロになれなかったなら、それはそれでもいいじゃないか!!!

 

自分は自分のやりたいことに正直に生きた。

このことのほうがよほど自分の人生にとって財産になると思います。

音大に限らず大学で専攻したものが職業になる人のほうが少ないよ。

だったら自分が好きな道、やりたいと思うこと、若いうちにチャレンジしたっていいんじゃないか?

 

・・・・なーんて、偉そうなこと書いてみたけど。

以前私が教えていた生徒さん、中学生の時吹奏楽部でトロンボーンにはまり、音大も視野に入れていた子がいました。

そこそこ吹ける子だったので、高校入ってすぐ準備始めれば、私立のどこかには入るだろうと思った。

でも、言われたの。

「音大入ったら全員プロになれる訳じゃないんですよね?」と。

私、「そう思うならやめておきな」と言ってしまった。

この時の生徒さんの考えも、それに対する私の回答も別に間違ってなかったと思う。

でも、その子はその後の人生は後悔していないだろうか?

まぁそれも、本人が選択したこと。

でも時々、このことを思い出したりします。

 

コンクール入賞と口から心臓が出そうになった話

高校三年の秋

前回記事

 

tromboneyumenikki.hatenadiary.com

 

 

で書いたような精神状態ではあったけど、また今年もソロのコンクールの時期がやってきた。

 

以前も 記事に書いた、高1は予選落ち、高2は本選には進んだが入賞できなかったコンクールに臨み、どうにか今回は無事、本選出場、そして入賞することができた。

これは一つ、励みににはなった。

これまでの積み重ねは無駄じゃなかった!

でも不思議。

今振り返るとこの入賞出来た年のことより予選落ちした時の悔しさや、本選で入賞出来なかった悲しさ、その時の本番の感覚のほうがよく覚えてる。

これはやっぱり、自分の意思で動いている時のことだからという気がする。

 

そして、このコンクールの後、いよいよ受験する大学の先生のレッスンに通うことになった。

メールで日程調整をする中で先生から来たコメント

 

「音階が全調吹けないようであれば、今後のレッスンをお断りします」

 

 

 ・・・・

ひぇぇぇー!!!_:(´ཀ`」 ∠):

 

 

いやそうですよね、当然です!!

おお音階はじゅじゅじゅ受験で演奏するんですから!!!

でもでも、口から心臓が出そうだよ!!

しかも、案外音階って、エチュードや曲に気を取られておろそかになりませんか!?!?

いやそれマジ言い訳!!言い訳だよ!!

わかってるけど!!

ひーー!!!!

この日から死ぬ気でスケールをさらい始めました・・・

遅いわ!! 

 

…この気持ちを共有する友達がいなかったのも自分を追い詰める原因だったなぁー(笑)

受験生の皆さん、確かに周りはライバルだが、切磋琢磨できる友達はいた方が良いと思います…!

 

※初めてのレッスンでは無事音階はクリアし、継続してレッスンして頂けることになりました。

ふー、あぶないあぶない…

 

 

置き去りになった音楽をする心

時間が空いてしまいました。

厳しいことを思い出すところなので、なんか心の整理がつかなかった。

 

前回記事

ある日突然トロンボーンを吹く意味が分からなくなった - トロンボーン夢日記

この時、一度立ち止まって考える時間を取るべきだったと思う。

 

私は何のためにトロンボーンをやるのか

どうして音大に行きたいのか

音大に行って何をしたくて

将来はどんなふうになりたいのか

 

誰かにこうしろと言われたからじゃなくて、自分はどうしたいのかを。

 

それを考え、整理するためにしばらく練習を休んでも全然良かったと、今なら思うよ。

それくらい、頭の中は大事、自分を信じる心は大事。

でも、まだまだ高校生。先生の言うことは絶対だし、ストイックに頑張る以外の方法を知らない。

それにもうこの頃には音大以外の選択肢なんて無理なところまで音楽以外のことをやってこず後戻りなんて出来ないし、すでに入賞歴というものを持っていて、トロンボーンが吹ける私だから価値があるんだと思っていた。

逆を言えばトロンボーンが吹けない私には価値がない、そう考えるようになっていたと思う。

だから練習を休むことは恐怖だった、どんどん練習時間を増やした。

それでも自分のやって来たことに自信がもてない。

だから怒られてばかりのレッスン。

下手くそはやめちまえと言われたら、私は下手くそで、価値がないんだと思ってしまうよね。

どんどん自己肯定感を下げていった。

 

毎日の練習内容は、とにかく

「正しく吹く」

「怒られないように吹く」

こと。

 

私の音楽をする心はどこに行ってしまったんだろうね?

 

ある日突然トロンボーンを吹く意味が分からなくなった

高校2年の時は3つのコンクールに出場した。

 

一つは前回の記事で書いた、予選は突破したけれど入賞はできなかった。

これはトロンボーンの高校生が出場するコンクールとしては一番メジャーなコンクール。

前回記事↓

 

tromboneyumenikki.hatenadiary.com

 

 

二つ目は、毎年違う楽器が対象で開催されるコンクールなので、各楽器、もちろんトロンボーンも三年に一回しかないコンクール。

これはテープ審査通過し、本選に出場。

無事三位を頂いた。

 

もう一つは某楽器屋主催のコンクールで、金管木管もごちゃ混ぜの「高校生の部」への出場。

100人くらい出ていたみたい。

楽曲も豊富な木管が有利やなかいかーい!と思ったけど、意外にも1位と1点差の2位に入賞。

しかも1位はオーボエだせ!

つまり金管では1位ということだな。

 

高2の冬は、某オーケストラのトロンボーン奏者の合宿にも、音大生の中に混ぜてもらいながら参加をして、芸大も間に合うと思う、など、良いコメントも頂いた。

とにかく、結果が出まくりの年だった。

 

それで、だんだんに、何を吹くにも求められていることが何なのか、わかってきた。

いかにまとめてみました。

 

〇正しい音程で

〇正しいリズム、音価

〇音の高低に関わらず一定の音色を保つことができて

〇正しい強弱で

〇正しいアーティキレーションで

〇上記はつまり正しい奏法で吹けることに繋がっていく

 

というような演奏が出来るということ。

つまり譜面通りの演奏が出来るようになるということ。

実際、こういう演奏は聴く側としても、聴きやすい。

それもわかる。

 

前は、とにかくトロンボーンを使って歌う事が大好きだった。

「音楽」をするためにトロンボーンを吹いていたと思う。

でもいつからか、歌いたいように歌うと「勝手に吹くな」と怒られるようになり、

こうするべき

先生はこう言っていた

先生はこういう演奏をしていた、だから自分もこうするべきだ

こうしないと、評価されない…

 

あれ?私何のためにトロンボーン吹いてるんだっけ…?

心臓が、「ズキン」と音を立てたような気がした。痛かった。

この日から、楽しみだったレッスンも急に恐怖になり、練習に対しても前向きな気持ちが減退していった。

 

何が変わったのか?この時の私にはよくわからなかったんだけど、今ならわかる。

トロンボーンを吹く行為が、自分軸ではなく、他人軸に変わってしまった瞬間だったんだ。

 

続く。

 

 

 

前回予選落ちしたコンクールで本選に出場できた時の話

 

tromboneyumenikki.hatenadiary.com

 この記事で書いたコンクールの季節が高校2年の秋にもやってきた。

今年は絶対に予選を通過すると誓って。

 

そこで取り上げた曲はこの曲。


 

 

色々な考え方がありますが、私はコンクールは、人と競って評価を受けるために出場するものだと思います。

それであれば、勝てる曲で挑むことも一つの作戦のはずです。

テクニックの見せ場、歌心の見せ場もそれぞれありつつ派手で聴き映えのする曲と、シンプルでありごまかしの利かないバロックの曲とで並べた時の印象って、、、

でもこれ、審査員はプロですから当然わかっています。

バロックがちゃんと演奏できるのはすごいことなのです。

だから、この曲がちゃんと演奏できて評価されれば本当に実力があるということ。

 

この曲でコンクールに挑むために、高校2年生の時の修学旅行には行きませんでした。

コンクール前に4日も楽器が吹けないなんてありえない、修学旅行のために積み立てたお金は、レッスン代、ピアニストとの伴奏合わせなどに使いたいと先生や親を説得して。

この選択、今では「修学旅行なんて高校生の時にしか行けないのになぁ・・」と思ったりしますが、この時はそれこそ高校生の時にしか選択できないことを選んだんだと思います。

 

〇その時にやっていた練習方法のご紹介

1.まずは基本、ゆっくり・正しく・何回も

2.レガートの楽章はフレーズの最初の音でそのフレーズのリズムだけ吹いた(1本の息で吹くイメージを持つため)

3.ピアノ伴奏を、和音だけ自分で弾いてそれをMDに録音し、それに合わせて練習した

あとは、とにかく人前で演奏させてもらった!

クラスメイト、担任の先生、部活の同級生、家族、、etc

トライ&エラーを繰り返しながら本番に挑みました。

本番1週間前に通し練習してる最中にウォーターキーのバネが折れて慌てて楽器屋に飛び込んだりもしました(汗

 

結果は、予選通過!!!

やった!やったよ!おかぁちゃんおらやったよ!!

 

しかし、1日に2回本番をやることは未経験。本選で出し切れなかったんだなぁ・・・

入賞は逃すという結果になりました。

しかし審査員はやはりわかってくれた。

「コンクールでこの曲を取り上げる努力を評価したい」

 

ありがとう。来年は入賞するぞ!!!

 

トロンボーンの演奏が一番輝いていた頃

高校二年の時。

この頃にはすっかり生活の中心はトロンボーンだった。

 

前の記事にも書いたけど、寝てる時とご飯食べてる時と授業中以外はガチで全部トロンボーン吹いてたよ。

 

夏休みなんてさ、授業ないから、平気で一日7〜8時間さらってた。

トロンボーンだからできるのかもだけど。ラッパやホルンなどのマウスピース小さい族はそんな練習時間無理らしい)

 

この頃、この曲をよく聴いていて、「切なくてカッコいい!!」って、頭スパークしてた。↓

 


 

トロンボーンやってる人にはおなじみ過ぎる曲だけど、日本全国の女子高生の中で見ると、かなり変態の部類に入っていたはずです。笑

キリストがマリア様のお腹に受胎した時のことを表現した曲ということだったので、当時母に聴かせて、受胎感があるか聞いてみたら

 

うん、わかる気がする

 

と言ってましたが真相やいかに。

※笑うところです

 

この曲やりたすぎて、先生に直談判してやることにした。

好きな曲やるからね、本当に、表現出来る喜びが体から溢れていた。

この頃から先生も、あまり怒らず、高校生にはもったいないようなピアニストのところに連れてってくれて。

この曲はトロンボーンよりよほどピアノが大変やろって感じだからだったと思うんだけど、そのピアニストの元でも

「えー!?これが高校二年生!?」

と賞賛してもらえる良い状態だったよ。

 

いやほんとさ、高校生なんてやればやるほど伸びる。

体も頭も柔軟で、自分のことにいくらでも没頭できる。

この頃は、3ヶ月前の自分と比べても今の自分のが全然うまいわって思えるほど変化を感じれた。

結果にコミットしてた。(ライザップ方式)

 

この頃が一番良かったな…

 

「昔は良かったねと♩

いつも口にしながら♩

生きて 行くのは 本当にイヤだから♩」

 

いやー、この頃が一番良かったわ(笑)

おばちゃん遠い目👁

 

 

初めてのソルフェージュ その3

前々回、前回に引き続きソルフェージュ編です。

今日はピアノについて取り上げます。

 

ピアノについては、ソルフェージュとは別で、純粋にピアノの曲を弾く試験があるのでソルフェージュのカテゴリーの中で紹介するのは違うかもしれません。

しかし管打楽器の学生はそんなに高いピアノの演奏能力は求められませんし、鍵盤楽器を、音程感や和声感を鍛えるためのツールと考えるほうが現実的だと思いますので、あえてソルフェージュの一環として書きたいと思います。

 

〇ハノン

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絶対これですよ、ハノン

入試で絶対に音階はやるし、何より調性感っていうものが音楽をやる上では絶対に持っていたい感覚です。

指が回るのも大切ですが、全調、特にカデンツを弾けるといいです。

和音が頭に鳴るようになります。

頭に音が鳴るって、何の専攻でも本当に大切な力だと思います。

だから、絶対やって!!!

 

〇ピアノを使った私独自の練習法

1.階名で全調の音階をピアノを弾きながら歌う(1オクターブでいいです)

2.分散和音で同様に歌う(例:ドミソミド、レファラファレ、ミソシソミ、ファラドラファ・・・)

新曲視唱の試験は、階名で歌うのですが、意外と階名を言い間違えたりしませんか?

(その時点で私は絶対音感の持ち主ではない)

音程と音名が合致してないっていうことになるのかなぁ。

でもこの練習をするとぐっと音が聞こえやすくなる。

 

 

ソルフェージュのまとめ

全てが繋がっています。ソルフェージュ能力が上がると当然トロンボーンにもすごく良い影響があった。

譜読みが早くなる、暗譜が得意になる、トロンボーンを吹いている時に和音が頭になる・・そうなると演奏が楽にできるようになってくる。

ソルフェージュとはつまり、頭に音を鳴らせるようになるための訓練なのです。

だから絶対、ソルフェージュ能力は高い方がいい。

 

受験生の皆さん、逃げずに頑張ろう!!