トロンボーン夢日記

吹奏楽っ子からの音大受験・音大生・社会人までのリアルな体験記

ある日突然トロンボーンを吹く意味が分からなくなった

高校2年の時は3つのコンクールに出場した。

 

一つは前回の記事で書いた、予選は突破したけれど入賞はできなかった。

これはトロンボーンの高校生が出場するコンクールとしては一番メジャーなコンクール。

前回記事↓

 

tromboneyumenikki.hatenadiary.com

 

 

二つ目は、毎年違う楽器が対象で開催されるコンクールなので、各楽器、もちろんトロンボーンも三年に一回しかないコンクール。

これはテープ審査通過し、本選に出場。

無事三位を頂いた。

 

もう一つは某楽器屋主催のコンクールで、金管木管もごちゃ混ぜの「高校生の部」への出場。

100人くらい出ていたみたい。

楽曲も豊富な木管が有利やなかいかーい!と思ったけど、意外にも1位と1点差の2位に入賞。

しかも1位はオーボエだせ!

つまり金管では1位ということだな。

 

高2の冬は、某オーケストラのトロンボーン奏者の合宿にも、音大生の中に混ぜてもらいながら参加をして、芸大も間に合うと思う、など、良いコメントも頂いた。

とにかく、結果が出まくりの年だった。

 

それで、だんだんに、何を吹くにも求められていることが何なのか、わかってきた。

いかにまとめてみました。

 

〇正しい音程で

〇正しいリズム、音価

〇音の高低に関わらず一定の音色を保つことができて

〇正しい強弱で

〇正しいアーティキレーションで

〇上記はつまり正しい奏法で吹けることに繋がっていく

 

というような演奏が出来るということ。

つまり譜面通りの演奏が出来るようになるということ。

実際、こういう演奏は聴く側としても、聴きやすい。

それもわかる。

 

前は、とにかくトロンボーンを使って歌う事が大好きだった。

「音楽」をするためにトロンボーンを吹いていたと思う。

でもいつからか、歌いたいように歌うと「勝手に吹くな」と怒られるようになり、

こうするべき

先生はこう言っていた

先生はこういう演奏をしていた、だから自分もこうするべきだ

こうしないと、評価されない…

 

あれ?私何のためにトロンボーン吹いてるんだっけ…?

心臓が、「ズキン」と音を立てたような気がした。痛かった。

この日から、楽しみだったレッスンも急に恐怖になり、練習に対しても前向きな気持ちが減退していった。

 

何が変わったのか?この時の私にはよくわからなかったんだけど、今ならわかる。

トロンボーンを吹く行為が、自分軸ではなく、他人軸に変わってしまった瞬間だったんだ。

 

続く。